下水中には人由来の新型コロナウイルスが存在することから、下水サーベイランス(下水中のウイルスを検査・監視すること)により、地域の新型コロナウイルス感染症のまん延状況の把握や、特定の施設における感染有無の探知等を行い、効果的・効率的な対策につなげられる可能性があり、国内外で下水サーベイランスに関する研究・取組が行われています。

下水中のウイルスの検査は、鼻咽頭ぬぐい液や唾液、鼻腔ぬぐい液を使う検査のように人から検体を採取する必要がなく、下水試料の検査で新型コロナウイルスの感染状況を把握できる可能性がある一方、検査工程の確実性や検出精度等の課題もあります。

  • 「下水サーベイランスに関する推進計画」はこちら

実証事業

検査工程の確実性や検出精度等の課題解決に向けて、令和4年度中に実装可能な下水サーベイランスの活用方策の実証事業として、「下水処理場実証(地方公共団体)」と「個別施設実証(高齢者施設、保育施設、教育施設等)」の二つのスキームで検証を行うこととしました。

下水処理場実証

下水処理場等における下水調査にかかる手法の改善・開発を行い、政策ニーズに沿った活用方法を検証

  • 下水サーベイの結果を政策決定・情報提供に活用
  • 地方公共団体、下水検査機関(または研究者)が共同で提案
  • 地方公共団体が継続して取り組めるものであることを前提に、政策ニーズがあるものを実証
図:下水処理場実証

個別施設実証

個別の施設において、下水サーベイランスを活用する上での課題を明らかにし、その解決方法を検討し、最適な検査パッケージを提示

  • 下水サーベイの結果を個別施設における感染拡大防止に活用
  • 対象施設を公募、採択
  • 様々な施設で施設排水調査事業の活用可能性について実証
図:個別施設実証

他省庁の取組

  • 厚生労働省(国立感染症研究所)による取組はこちら
  • 国土交通省による取組はこちら