令和5年度感染症危機管理対応訓練について

更新日:令和6年1月15日

令和5年度感染症危機管理対応訓練について

【概要】

感染症危機はいつ来るのかわからず、有事の際に迅速・柔軟に対応するために、緊張感をもって平時から十分な準備と訓練を行うことが重要です。
そのためには、「訓練でできないことは、本番でもできない」ということを常に念頭に置いて、新型コロナ対応の経験を踏まえた実践的な訓練を行う必要があります。

そこで、今回は、内閣感染症危機管理統括庁の発足後初めてとなる訓練を実施しました。具体的には、新型コロナ発生以前に実施していた「政府対策本部会合(訓練)」を開催するとともに、新たな訓練として、全国の都道府県などと体制を組んだ「初動対処に係る国と都道府県との緊急連絡会議(訓練)」に加え、「新型インフルエンザ等に関する関係省庁対策会議(訓練)」「成田国際空港における検疫所や航空会社等が参加する水際対応訓練」「国立感染症研究所と地方衛生研究所との情報伝達訓練」「東京都と連携した訓練」を実施しました。

本訓練は、海外において新たなインフルエンザウイルスによる感染症が発生したとのシナリオのもと、統括庁発足を機に改定した「初動対処要領」に基づき、各省や都道府県等において初動対処の取り組み状況を確認・共有し、統括庁として取りまとめと総合調整を行うことで、政府、自治体が一丸となった感染症危機の初動対処を確認することを目的として実施しました。

引き続き、訓練の精度を上げるよう努めるとともに、今回の一連の訓練から得られた実践的な知見や教訓については、現在進めている「政府行動計画」の見直しにもフィードバックし、有効に活用してまいります。

【各訓練について】

●11月7日:政府対策本部会合(訓練)

岸田文雄内閣総理大臣、新藤義孝大臣(感染症危機管理担当)をはじめとする総理以下閣僚出席の下で、政府対策本部会合(訓練)を開催しました。
本会合では、各省において、感染症危機に対する初動対処の取組状況を確認・共有した後、総理大臣から、初動対処を徹底し、①新型インフルエンザについての情報収集を強化し、国民の皆様に、速やかに適確な情報を伝えること、②在留邦人の支援や検疫の強化等、予防・まん延防止対策を強力に進めること、③国内での新型インフルエンザの発生に備えた対策を早急に進めること、との指示をいただきました。
また、訓練終了後、総理大臣から、次の感染症危機に向けて、平時からの備えを確実なものとすることが重要であり、本日の訓練を第一歩とし、国だけでなく都道府県との緊密な連携を含めた体制を構築してほしいとの講評もいただきました。

  • 写真:政府対策本部会合訓練の様子1
    提供:内閣広報室
  • 写真:政府対策本部会合訓練の様子2
    提供:内閣広報室
  • 写真:政府対策本部会合訓練の様子3

●11月9日:初動対処に係る国と都道府県との緊急連絡会議

新藤義孝大臣(感染症危機管理担当)の下で、全国47都道府県と連携した緊急連絡会議をオンライン形式で開催しました。
本会議では、新藤大臣から各都道府県に対して、政府対策本部会合での総理大臣からの指示を伝達するなど、政府の対応方針を説明した後、出席した21名の都道府県知事から、新型インフルエンザ感染症の国内発生に備え、感染症対策物資の確保、検査・保健所・医療提供体制の整備等といった初動対処の取組状況について報告がありました。
また、国立感染症研究所所長から国立感染症研究所と地方衛生研究所との連携状況について報告がありました。

  • 写真:感染症危機管理対応訓練の様子1
  • 写真:感染症危機管理対応訓練の様子2
  • その他の訓練の紹介
    新型インフルエンザ等に関する関係省庁対策会議(訓練)(10月31日)
    海外で新たなインフルエンザウイルスによる感染症が発生した想定で、統括庁からは栗生俊一内閣感染症危機管理監以下が参加し、関係省庁の局長等とオンラインにて、関係省庁等に情報展開の上、初動対処の取り組み状況について確認しました。
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      関係省庁対策会議
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      関係省庁等への情報展開
  • 成田国際空港における検疫所や航空会社等が参加する水際対応訓練(11月14日)
    成田国際空港において、新型インフルエンザが海外で発生した場合の初動段階の「物資等の準備状況の確認」や「検疫体制強化への協力要請」等を行う実地訓練を実施しました。
    この訓練は、成田空港検疫所が中心となり、東京出入国在留管理局成田空港支局、成田税関支署も参加のもと、成田国際空港株式会社、成田国際空港航空会社運営協議会、日本航空株式会社、全日本空輸株式会社等にもご協力をいただきました。
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      物資等の準備状況の確認
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      濵地雅一厚生労働副大臣からの協力要請
  • 政府の訓練シナリオに基づいた東京都における現場対応訓練(11月16日)
    東京都において、新型インフルエンザ疑い患者発生に伴う第一種感染症指定医療機関への「患者搬送訓練」や患者の行動歴や濃厚接触者を確認するための保健所による「積極的疫学調査」等を行う実地訓練を実施しました。
    この訓練は、東京都庁が中心となり、都立駒込病院、文京区保健所、東京消防庁にご協力をいただきました。
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      東京消防庁による患者搬送
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      オンラインによる保健所の積極的疫学調査