政府行動計画フォローアップ

フォローアップとは

新型インフルエンザ等対策政府行動計画では、その実効性を確保するため、毎年度定期的なフォローアップを行うこととしています。

具体的には、

  • 一覧表による取組状況の把握
  • 個別のテーマについては新型インフルエンザ等対策推進会議の場で関係省庁等からヒアリング

を行うこととしています。

令和6年度フォローアップ

各省庁における取組状況と今後の取組方針について、政府行動計画の全面改定後初めてとなるフォローアップを実施し、令和7年6月27日開催の第18回新型インフルエンザ等対策推進会議で報告しました。

「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」に基づく取組のフォローアップのポイント:表紙
「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」に基づく取組のフォローアップのポイント:スライド

個別テーマのヒアリング等(各分野の取組状況について)

サーベイランス(第3章)

第16回新型インフルエンザ等対策推進会議において厚生労働省からヒアリング(令和7年3月26日開催)

新型コロナを踏まえ、感染症の発生動向を迅速に把握するため、医療機関からの患者数・入院者数の定点報告や下水サーベイランスなど重層的なサーベイランス*を平時から実施しています。
また、将来のパンデミックに備え、令和7年4月から、流行中の呼吸器感染症を把握するとともに、新興・再興感染症の発生を迅速に探知するため、急性呼吸器感染症(ARI)の発生動向等を把握する「急性呼吸器感染症サーベイランス」も開始しました。
そのほか、感染症による公衆衛生リスクの探知・評価のための感染症インテリジェンスの実施、感染症危機に関連した人材育成の取組等を実施しています。

*「サーベイランス」とは、新型インフルエンザ等の発生時に患者の発生動向や海外からの病原体の流入等を体系的かつ統一的な手法で、持続的かつ重層的に収集・分析を行う取組等をいいます。

サーベイランスについて
重層的なサーベイランスの実施(1)
重層的なサーベイランスの実施(2)

ワクチン(第7章)

第17回新型インフルエンザ等対策推進会議において厚生労働省・内閣府・SCARDAからヒアリング(令和7年4月21日開催)

新型コロナ対応を踏まえ、平時から研究開発への支援を実施するため、令和7年3月に、今後のパンデミックに備えるべき「重点感染症」リストの見直しを行いました。
また、令和4年3月に設立された先進的研究開発戦略センター(SCARDA)が司令塔となり、研究開発拠点の形成やファンディング機能の強化等を通じて、重点感染症に対するワクチン開発等を推進しています。
さらに、ワクチン生産の基盤整備のため、幅広い種類のワクチンの国内生産が可能となるよう、令和10年度までにワクチンの国内製造体制の構築(ワクチン製造8拠点、製剤化・充填4拠点、治験薬製造4拠点と部素材の生産拠点)を進めています。
そのほか、薬事承認プロセスの迅速化や、打ち手の確保(臨床検査技師、救急救命士等が接種を行う枠組みの整備)等にも取り組んでいます。

ワクチン開発・生産体制強化戦略(令和3年6月1日閣議決定)に関する取組の概要
ワクチン・新規モダリティ研究開発事業 課題推進状況
ワクチン製造拠点の整備 ワクチンの国内製造体制の構築

医療(第8章)

第17回新型インフルエンザ等対策推進会議において厚生労働省からヒアリング(令和7年4月21日開催)

新型コロナ対応の課題を踏まえ、感染症法を改正し、平時から新興感染症の発生・まん延時に備え、都道府県と医療機関の間で病床確保や医療人材等に関する協定を締結する仕組みを創設しました。
例えば、入院医療を実施するための病床については、新型コロナ対応で確保した体制を念頭に都道府県が設定した目標の総計(約4.5万床)を上回る、約4.8万床(令和7年1月時点)を確保しています。
そのほか、医療法の改正(都道府県の医療計画に「新興感染症の発生・まん延時における医療」を追加)、個室病室や病棟のゾーニング等の整備への支援、都道府県における医療機関と連携した患者搬送・受入の訓練等を実施しています。

次の感染症危機に備えた医療に係る取組の進捗状況について(概要)
医療提供体制の整備について(課題を踏まえた対応②)

検査(第10章)

第17回新型インフルエンザ等対策推進会議において厚生労働省からヒアリング(令和7年4月21日開催)

新型コロナ対応の課題を踏まえ、感染症法を改正し、検査機関のキャパシティを確保するため、
①都道府県等において検査体制に関する数値目標を設けることとし、
②そのために、都道府県等と民間検査機関等との間で感染症有事に検査を実施することを内容とする協定の仕組みを導入しました。
これを受けて、協定の締結を進め、令和6年9月末時点で、感染症有事の流行初期には約29万件/日、流行初期以降には約49万件/日の検査が実施可能な体制を整備しています。これは、新型コロナの経験を踏まえて設定した数値目標を上回るものです。
そのほか、JIHSとの連携を含めた地方衛生研究所等の体制強化や、感染症有事に歯科医師が検体検査を行う枠組みの整備等にも取り組んでいます。

次の感染症危機に備えた検査に係る取組の進捗状況について
検査機関のキャパシティ等検査体制の確保について

DXの推進(横断的な視点)

第16回新型インフルエンザ等対策推進会議において内閣感染症危機管理統括庁・厚生労働省からヒアリング(令和7年3月26日開催)

新型コロナ対応においては、発生届に係る保健所職員の入力業務の著しい負担増加をはじめ、デジタル化の遅れにより生じた課題がありました。これらを踏まえ、DX推進の取組として、システムの更なる改善や新たなシステムの構築を進めています。
例えば、感染症有事には、医療機関等情報支援システム(G-MIS)を活用して、効率的な医療提供体制の把握や入院調整を行うこととしています。また、平時にも年1回、当該システムを用いて、医療機関等から協定の準備状況を報告することとしています。
そのほか、検疫業務支援システムや感染症サーベイランスシステム等については、システムの改善や稼働に向けて取り組んでいます。

次の感染症危機に備えた感染症関連のDXの推進に係る取組の進捗状況について
主な感染症関連のシステムのスケジュール
医療機関等情報支援システム(G-MIS) (感染症医療関係)